MOMO TIMES 6月号

安心・安全な食材をお家まで。
移動販売の八百屋さん『山陰やさい家族』
八百屋さんは平安時代からあり、”振売(ふりうり)”といって、農民が自ら作った野菜を天秤棒でかついで売り歩いていました。
江戸時代あたりになると、都市の発達に伴って住民の消費にこたえる形で店舗での販売が始まり、やがて地域のコミュニティの中心として重要な役割を果たすようになりました。
しかし、昭和の高度経済成長期に入るとスーパーマーケットが台頭しはじめ、全国の街で八百屋さんは減少していきました。
ちょうどその頃、農薬の人や環境への影響が問題視されるようになり、1990年代に入ると食に安全・安心を求める声が高まって、地産地消やオーガニックへの関心から八百屋さんの役割が再評価され始めました。
現在、安全・安心であることや、おいしさや旬などの価値を野菜に求める消費者が増え、農家から直接仕入れた新鮮野菜を提供する八百屋さんが注目を集めています。
『山陰やさい家族』さんは、松江市を拠点に安来市、松江市、出雲市で、野菜の移動販売を行う八百屋さんです。
契約されているお客さまを毎週1回訪ね、自ら仕入れた有機野菜や果物だけでなく、パンや豆腐、海産物、弊社の乳製品などを、商品を見てもちらいながと販売されています。
『山陰やさい家族』代表の河津和彦さんにお話を伺いました。
「八百屋を始めたのは、農家さんの思いを消費者に届けたいとの思いがあったからです。
私は高校を卒業後、東京の大学に進学し、在学中に地方出身の友人たちと共にサンドイッチ屋を立ち上げ、丸の内などのオフィス街の会社を回っつてサンドイッチを販売していました。サンドイッチには、それぞれが取り寄せたふるさとの野菜を挟んでいました。
東京都大田区『大岡山北口商店街』にもお店があります。
写真は「島根の新鮮野菜でーす。」と、呼び込み中の河津代表。
サンドイッチ屋は卒業と同時に解散しましたが、島根の農家さんに解散することを伝えると、『すごく楽しかったよ』と言ってくだり、その言葉がうれしくて、いつか農家さんの思いを消費者に届けるような仕事をしたい!と思うようになりました。
20年前に『山陰やさい家族』を立ち上げ、現在は一軒一軒のお客さまに生産者の思いや、商品の背景などを説明しながら販売しています」
松江市にお住まいの和江さんは、毎週1回の『山陰やさい家族』の販売日をとても楽しみにされており、有機野菜や果物、パン、海産物などと共に「木次パスチャライズ牛乳」を購入されるそうです。
伺ったこの日はちょうど97歳の誕生日。「パスチャライズ和牛乳を飲んで100歳まで生きるわ!」と宣言されました。
『山陰やさい家族』
お問合せは、代表の河津さんまで
Facebook:河津和彦
Tel. 0852-25-8655
Mobile.090-7812-2719
『山陰やさい家族』さんの果物が、風流堂さんの『ふるる果』に!
松江の老舗和菓子店『風流堂』さんが新しく挑戦するブランド、フルーツ大福『ふるる菓』。自慢の餡とフルーツの酸味・甘味が相性よく調和した老舗和菓子店ならではスイーツです。
『いちごみるく大福』
『いちご抹茶大福』
『朝汐餡バター大福』
季節によってフルーツが変わり、現在販売されているのは苺。
2種類の『いちご大福』に『山陰やさい家族』さんが販売する『大森ファーム』 の苺が使われています。(『朝汐餡バター大福』)には木次バターが使われていますよ♪)
FURURUCA by 風流堂
URL:https://fururuca.com
Instagram:@fururuca.shimane_
牛乳のことをしっかり学び、その素晴らしさをお客さまに伝えるのが、私たちの仕事です。
『たにじりや』は、京都御所近くにある大正3年創業の老舗牛乳販売店です。創業者の谷尻理一きんは身体が弱かったため、「朝早く規則的な生活ができる牛乳屋さんは健康になれる!牛乳を飲むともっと健康になれる!!」との想いで、『たにじりや』を創業されました。
『たにじりや』さんは100年以上にわたり経営を続け牛乳業界の発展に貢献されたことが評価され、平成2年に『農林水産大臣賞』を受賞、平成28年には三代目社長の谷尻 順一さんが『黄綬褒章』 を受章されました。
令和6年、創業者のひ孫にあたる谷尻考史さんが四代目社長に就任されました。 『たにじりや』現会長の谷尻 順一さんにお話を伺いました。
谷尻 順一 会長
『たにじりや』について
「私ども『たにじりや』は、京都で100年以上続く牛乳販売店で、各ご家話の牛乳箱に生乳をお届けするスタイルをずっと続けています。
現在取り扱っているのは、180/200mlの瓶牛乳22種類、180/200mlの紙パック牛乳3種類、500mlの瓶牛乳2種類、900mlの瓶牛乳6種類、1000mlの紙パック牛乳2種類です。他に飲むヨーグルトや青汁も取り扱っています。
取り扱っている牛乳は大手メーカーのものと、木次乳業のような地方の乳業メーカーさん5社のものでます。その中からお客さまにご自分の好きなものを試飲して選んでもらい、配達させていただいています
お客さまによって牛乳の好みはバラバラで、また、ご家族お1人お1人も好みが違うので、今お客さまにおすすめしているのは、地方の乳業メーカーの180/200mlの瓶牛乳を4種類を選び、1週間に1回、4週間お届けするセットで、毎日いろいろな牛乳の飲み比べができると好評です。瓶牛乳をおすすめするのは、やっぱり瓶牛乳がおいしい!と思うからです。
弊社は取扱う牛乳の種類が多いので、会社には深夜1時から翌朝の11時ぐらいまで、1時間おきに7社から牛乳が届きます。届いたら分けて届いたら分けてという感じで全力で仕分け作業を行う会社の中は、まるで時間どおりに到着する新幹線の駅みたいな感じになっています。
弊社は扱う商品の種類が多すぎて、お金儲けにはつながっていないなと感じますが(笑) 、お客さまにおいしく牛乳を飲んでいただきたいとの思いでみんなで頑張っています」
日登牧場の成瀬さんに教わったこと
「あるとき、日登牧場の今の場長である成瀬さんが、たまたま弊社に来られ、放牧の牛乳についていろいろなことを教えてくださいました。
その時におっしゃっていたのは、『自分がやりたい酪農をするのではなく、日本の酪農はどうあるべきかということをしっかり見据え、散農に取組まなければならない』ということ。木次乳業のことは以前から知つていましたが、この時から、さらに山地酷農の考え方に傾倒するようになりました。
日登牧場の成瀬さんもそうですが、全国にはすばらしい散農家がいらっしゃり、そういう方々からいろいろな話を聞いたり、スタッフも時間の許す限り牧場見学に行ったりして、酷農を学んでいます」
左:お客さまを招いて勉強会
右:バター作り体験
牛乳販売店の役割
「私の娘が10年ほど前にアメリカのシカゴに住んでおり、私はそこを訪れた折にスーパーマーケットで販売されていた牛乳に驚きました。
手に取ったジャージー種の牛乳は“グラスフェッドミルク"とうたわれており、ラベルにはオメガ3の含有量が記されていました。『このミルクは牧草だけを食べて育った牛のミルクだから、オメガ3がこれだけ入っていますよ』としっかり明記されていたのです。
日本の牛乳は乳脂肪分○%とだけ書いてあって、どんな育てられ方をした牛から搾乳して、どんな栄養が入っているのかがわかりにくいと感じます。
例えば、牛舎飼いのホルスタイン種は1頭あたり年間9000kgの乳を出しますが、山地酪農のプラウンスイス種は1頭あたり年間4000kgの乳しか出しません。同じ基準で価格を決めてしまうと山地酪農は利益が少なくなるので、実際は乳景が少ない分、生乳1本の価格が高くなっています。
価格は高いけれども、山地酪農で飼育されている牛は芝や草を食べるため、共役リノール酸やオメガ3が多く含まているなどすばらしい価値があることをお客さまに伝えないと、酪農家の努力が報われないと感じます。
情報が足りない分をしっかりと補うのは、私たち牛乳販売店の使命だと思っています。
弊社では、お客さまにパター作り体験をしていただきながらプロジェクターで放牧をしている牛の動画を見ていただいたり、酪農家を招いて講演会を開いたりして、より牛乳を理解していただけるよう働きかけています。
また、数年前から京都の市バスの側面にプラウンスイス種の放牧写真を掲載してブラウンスイス牛乳のPRをおこなっており、認知度を向上させたいと考えています」
牛乳飲み比べ
たにじりや直営カフェ『GREEN FARM』
「10年前、京都の出町柳に『GREEN FARM』というカフェをオープンしました。
弊社が取扱う生乳の飲み比べをしていただけるほか、季節のフルーツを使ったミルクスムージー、ブラウンスイス牛乳で作った手作りのプリンなども販売しています。
京都にお越しの折には、ぜひお寄りください」
京の都の牛乳屋さん
Facebook:有)たにじりや
Instagram:@tanijiriya
URL:http://tanijiriya.com
京都市上京区浄福寺通誓願寺上る今出川町474
TEL:075-451-2657
左:京都の市バス広告
右:GREEN FARM
日登牧場日記
hinobori bokujou
イタリアンライグラスの収穫
出雲縁結び空港近くにある『日登牧場直営 宍道牧草地』では、牛さんの餌となる冬作牧草"イタリアンライグラス"の収穫を、5月初旬から約1ヵ月かけて行いました。
収穫した牧草はロールにして白いラップで包み(ラップサイレージ) 、日登牧場に運ぶほか、弊社の契約牧場に配布します。
イタリアンライグラスは毎年11月に種を蒔きますが、昨年は種を蒔いた時期に雨の日が多かったことで芽立ちが悪かったうえ、それ以降も草丈が思うように伸びなかったので、収穫量は例年の5割ほどに留まりました。
7月に入ると牧草地の耕起を開始し、夏作の牧草の種を時く準備に入ります。
夏作の牧草は毎年"スーダングラス"を育てていましたが、今年は"ミニレット“(稗)を育てる予定です。
(宍道牧草地 スタッフ 内藤)
宍道牧草地で働く機械
左から順に、
『ディスクモア』牧草を刈る
『テッダー』刈り取った牧草を乾かすために広げる
『ロールベーラー』乾燥させた牧草をロールにする
『ラップマシーン』牧草ロールをラップで包む
『フロントローダー』ラップで包んだ牧草を移動する
木次乳業をお使いくださっているお店を紹介します。
長い時間をかけて、たどり着いた究極のプリン
PATISSERIE DURER SAISON
パティスリー デュレ セゾン
『パティスリーデュレ・セゾン』さんは、長く出雲の人たちに愛されてきた『ラ・セゾン洋菓子店』(現在は閉店)の流れをくむお店です。
『パティスリーデュレ・セゾン』さんでは、お店を代表する洋菓子の1つである『トロリぷりん』に木次牛乳をお使いくださっています。『バティスリーデュレ・セゾン』代表の平野雄三さんにお話を伺いました。
「プリンは、ほとんどの洋葉子店をはじめベーカリーや惣菜店などでも作られており、それぞれのお店にそれぞれのこだわりがあります。
当店の『トロリぷりん』は20年ほど前に誕生したロングセラー商品。誕生以来、流行を追いかけることなく、店の味を追求してきました。
使う食材の品質はもちろんのこと、プリンの甘さとキャラメルの苦さのパランス、プリンの食感、湯煎のお湯の量や加熱時間など、細かな調整を繰り返しながら進化させ、今のプリンが完成形と考えています。
容器も美しきと食べやすさを兼ね備えたものにこだわりました。
ひとくち食べた時に『おいしい。』ではなく、『おいしい!!(@_@)』と、ちょっとびっくりするような、みなさまの想像の上を行くプリンになったと思っています。
『トロリぷりん』を自分へのご褒美や、大切な方にお召し上がりいただくものとしてお使いいただけるといいなと思います」
3年前に和泉市天神町から小山町に移転。白を基調とした建物で、植栽は季節ごとにかわり、平野代表のこだわりを感じます。
PATISSERIE DURER SAISON
パティスリー デュレ セゾン
Instagram:@durer_saison
島根県出雲市小山町359-3
OPEN 10:00 - 19:00
定休日 水曜(月1、2回木曜日も)
TEL:0853-23-1136
左:『トロリぷりん』
右:こだわりのプリンとスフレチーズからなる二層のケーキ『神話ちーず。』通販サイト『めいぶつチョイス』で発送可(QRコードからアクセスできます。)
店内は木製の床にグレーの壁紙の落ち着いた色調。ブルーを多く使った装飾品やラッピングされた焼き菓子がおしゃれに並んでいます。
2001年、国連食糧農業機関(FAO)は牛乳に対する関心を高めると同時に、酪農・乳業の仕事を多くの方に知ってもらうことを目的として、6月1日を「世界牛乳の日(World Milk Day)」とすることを提唱しました。
日本では、2007年、日本酪農乳業協会(現・一般社団法人Jミルク)が6月1日を「牛乳の日」、6月を「牛乳月間」と定めました。
くわしくは「j-milk」へ。
URL:https://www.j-milk.jp/
Instagram:@j_milk_official
6月は牛乳をちょい足しで、おいしさ&牛乳消費UP!!
「コク」を出す!
牛乳本来が持っている甘みや酸味、旨味が、さっぱりした味の料理にまろやかなコクを与えます。
たとえば、豚汁に牛乳をプラス。完全な和食の豚汁が少し洋風に。
重たい味を軽やかに!
こってりした味の料理や強い味付けの料理を、軽くて食べやすい味にします。
たとえば、ポテトサラダの味付けに、マヨネーズにプラス。いつもよりさっぱりマイルドな仕上がりに。
減塩効果!
旨みとコクが際立って感じられることで塩分が薄くても物足りなさを感じません。
たとえば、鯖のみそ煮のみその量を半分に減らし、牛乳をプラス。目安はみそ大さじ1に対して牛乳100ml程度。牛乳臭は感じず、濃厚なみそ味の仕上がりに。