MOMO TIMES 1月号

あけましておめでとうございます。
新しい年を迎えるにあたり、ご挨拶を申し上げます。
2024年を振り返りますと、気候変動と自然災害に悩まされた年でした。1月1日に能登半島地震が発生し、その後の豪雨災害でも多くの方が被災されました。
日本各地で大雨による被害があり、島根県でも7月の大雨で県道が崩落し、海沿いの地区が一時、孤立状態になりました。8月には『令和の米騒動』 と呼ばれる全国的な米不足が発生しました。
これは、2023年の猛暑による米の品質低下で流通量が減ったことによるものと言われていますが、そもそものところは、農家の減少が大きな要因だと感じています。新米の収穫が始まると米不足は徐々に解消され、多くの人は『令和の米騒動』があったことさえ忘れています。
しかし、私たち農業に携わる者たちにとっては、『令和の米騒動』は近い将来、慢性的な食糧不足が起きることを暗示するかのような出来事でした。
日本の食料自給率はカロリーベースで38%ですが、他の先進国の食料自給率と比較すると、オーストラリアは233%、アメリカは104%、フランスは121%となっており、日本はかなり低い水準にあります。
これまで日本は食料を生産国から購入してきたわけですが、世界人口は2080年代まで増え続けると予測されており、生産国の人口が増加すると、日本に売るよりも自国での食料消費を優先するようになるうえ、円安がすすむと、生産国に食料があっても購入できないという状態になってしまいます。
そうなったときには自給率を上げればいいと思われるかもしれませんが、農業は子の代、孫の代を見据えた土づくりから取組むものなので、一度荒地にしてしまった田んぼや畑を復活させて自給率を上げることは、そう簡単ではありません。今はまだ消費者は、より安心なものがいい、より安価なものがいいと、自分が食べるものを選ぶことができますが、近い将来、食べるものを選べない世の中になるのだろうなと感じます。
このような食糧事情の中、弊社は今後、乳製品だけではなく、生産現場と消費者の皆さまを繋ぐ食べものづくりができればと考えております。皆さまも時々、食べものの生産者や生産現場に思いを馳せ、生産者の気持ちを想像していただければ幸いです。
気候変動や人口増加、戦争、病気の流行、価値観の変化といった世界情勢の大きなうねりの中で、小さな小さな弊社ができることは何なのかを探りながら、2025年も様々なことに取組みたいと思います。
皆さまが“すこやかな暮らし”を思い描かれたときに、まっ先に手にとっていただけるような木次乳業ブランドであり続けたいというのが、弊社社員一同の思いです。
2025年も皆さまのご指導をよろしくお願いいたします。
木次乳業有限会社 代表取締役 佐藤 毅史
寒い季節には、チーズフォンデュを作ろう!
体を温めながらしっかり栄養もとれるチーズフォンデュには免疫力を高める効果があり、 冬に最適なメニューです。 チーズと一緒にビタミン豊富な具材を食べることで、カルシウムの吸収率もアップしますよ。
チーズフォンデュは、チーズに白ワインを入れて煮込む料理。元々はアルプス山岳部で暮らす農家の人たちが、新鮮な食材が手に入りにくい冬に硬くなったパンを柔らかくしておいしく食べるために考案した、 生きて行くための調理法でした。
今は、チーズとワインの組合せや、いろいろな具材を楽しむ料理として進化し続けており、近年はキャンプ料理としても注目されています。ぜひ、チーズフォンデュを木次チーズで作ってみてください。
写真は、鳥取県境港市にお住まいの門脇さまからいただいた、門脇家の食卓を撮影したものです。門脇さまのご主人は料理が趣味で、毎週末には凝った料理を作り、家族に振る舞われるそうです。
この日は木次チーズ三昧のお料理で、メインはイズモ・ラ・ルージュを使ったチーズフォンデュだったそうです。
チーズフォンデュ以外のメニュー
★イズモ・ラ・ルージュのチーズトーストブルスケッタ
★プロボローネのラビオリトマトスープ
★アジと野菜のチーズズコットグラタン
(写真提供: 門脇さま)
弊社がおすすめする チーズフォンデュレシピ
材料 (3~4人分)
木次チーズ※1・・・200g
白ワイン※2・・・100cc
コーンスターチ(または片栗粉)・・・大さじ1/2
ニンニク・・・1/2片
ブラックペッパー、ナツメグ ・・・お好みで
お好みの具材・・・適量
作り方
❶ チーズを溶けやすいよう細かく刻み、 コーンスターチをまぶしておきます。
❷ 鍋の内側にニンニクの切り口をすりつけ、香りを移します。
❸ ②の鍋にワインを入れて軽く沸騰させてアルコール分を飛ばしたら、すぐに弱火にして、①のチーズを3回ほどに分けて入れます。
❹ チーズが固まらないよう箸で手早くかき混ぜ、お好みでコショウ、ナツメグを加えます。
❺ 鍋を温めながら、食べやすい大きさに切ったバゲットや茹で野菜などの具材にチーズをからめてお召し上がりください。
※1 複数の種類のチーズをブレンドするのもおすすめです。
※2 白ワインを木次牛乳にかえると、子どもも安心して食べられます。
カマンベール・イズモを丸ごと1個使って「フォンデュ・ド・カマンベール 」
材料(1人分)
カマンベール・イズモ・・・1個
ブラックペッパー・・・お好みで
お好みの具材・・・適量
作り方
❶ カマンベール・イズモの上部の白いところを包丁で削ぐように切り取ります。チーズが溢れないよう、上部の周りを少し残して切り取りましょう。
❷ ①を器にのせ、ふんわりラップをかけ電子レンジ(600W) で30秒加熱します。
❸ 一度取り出してスプーンでチーズの中を混ぜます。
❹ 再びラップをかけ、電子レンジ(600W) で30秒~1分、様子を見ながら加熱します。
❺ ④を取り出して器に取り、ブラックペッパーを振ります。バゲットや茹で野菜にからめてお召し上がりください。
『WORLD CHEESE AWARDS 2024』 に行ってきました。 [その1]
木次乳業チーズ室 川本 英二
『国産チーズブランド化推進委員会』において、11月にポルトガルのヴィゼウで開催された『ワールドチーズアワード2024』に 出品するチーズに、弊社のオールドゴーダチーズが選定されました。私は、このコンテストの派遣人員に推薦され参加してきたので、そのときのことを報告したいと思います。
ポルトガルへの道程
11月13日の羽田発の飛行機で、ドイツのフランクフルトまで行き、そこで乗り継ぎしてポルトガルまで行くというルートを出発前に何となく聞いていたのですが・・・。飛行機は何だかウネウネと飛ぶ不思議なルートを行き、「戦争中のロシア上空を避け、北極を通過してからドイツに向けて南下するのか」などと考えたりしながら、眠れずに漆黒の空を眺めていました。
やがて、窓の外の水平線が明るくなり「あぁ、夜が明けるのかな?」と思うと、また真っ暗になる。そうこうしているうちに、水平線が紫色に輝きはじめ、どんどん輝きが激しくなって、またスーっと闇が広がる。そんな神秘的な光景を目の当たりにし、「地球ってスゴイなぁ」と、只々、感心しました。
あとで聞いたところによると、私が見たその光景は、オーロラじゃないかな?とのことでした。「それにしても、あの素敵な空の下で、人間は一体、何をしてるのだろう?」と思った、ポルトガルへの道程でした。
新人審査員トレーニングセミナー
羽田から20時間かけてポルトガル第2の都市・ポルトにある『ポルト空港』に到着。そこから車で1時間ほどかけて『ワールドチーズアワード』の会場があるヴィゼウに、やっと辿り着きました。
今回私は、『ワールドチーズアワード』に弊社チーズを出品することだけが目的ではなく、コンテストの審査員もさせていただくことになっていたので、 ヴィゼウに到着すると休憩する時間もなく、すぐに新人審査員のトレーニングセミナーの受講会場に行きました。
セミナーでは、1人1人に5種類のチーズが用意され、それらを目隠して食べたり、鼻をつまんで食べたりなど、いろいろなことをしながら、五感全部を使って審査することを学びました。・・・と言っても、2時間にわたるセミナーがすべて英語で行われ、実際は講師が何を言っているのかほとんどわからなかったので(笑)、一緒に受講した北海道の 『広内エゾリスの谷チーズ社』のTくんと2人、周りの人の動きを見てはコソコソ相談しながら、何とか無事に学び終えることができました。
このセミナーで食べた5種類のチーズはすべてポルトガルのチーズで、3種類が羊、1種類が山羊、もう1種類が牛のチーズでした。私は、5種類のうち4種類のチーズにしょっぱさを感じました。
このセミナーで、日本人とヨーロッパ人の味覚が随分違うことに気付きました。(つづく)
弊社相談役 佐藤 貞之が、秋の叙勲で、旭日単光章を受章しました。
(旭日章は、社会の様々な分野における功労の内容に着目し、顕著な功績を挙げた者に授与されます。)
佐藤 貞之(77歳)
令和6年秋の叙勲において、中小企業振興功労による旭日単光章受章の栄に浴しました。『ワイナリー奥出雲葡萄園』『木次乳業』の社長を務めるなど、40年以上にわたり食を通じた地域振興に力を尽くしたと評価していただいたことは、身に余る光栄に存じます。
私が木次乳業の専務だった1990年に、葡萄農家や酒卸業者の有志で設立した『奥出雲葡萄園』は、農家、 製造業、および、サービス業がそれぞれ出資をして会社を作る、6次産業の先駆けでした。出資者全員が一緒に葡萄を作ったり、ワインを仕込んだり、できたワインを売り歩いたりして、農作業のつらさ、ものを作ることのむずかしさ、売ることの大変さなど、お互いの仕事を理解するよう努力しながら、思いを一つにして『奥出雲葡萄園』の形を作りました。
その後、『奥出雲葡萄園』は、スタッフの努力により、ワインの製造・販売に留まらず、レストランやショップ、ギャラリーを併設したコミュニケーションの場としても活用されるようになって行きました。この勲章は、『奥出雲葡萄園』 の設立メンバーとスタッフを代表して、私が受章させていだいたものと思っております。
今後も地域振興に尽力する所存でございますので、皆さまの変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
木次乳業有限会社 相談役 佐藤 貞之
『ぱんのやまきち』さんの『プリンのおいしい作り方』
材料
A 木次パスチャライズ牛乳・・・ 350g
生クリーム・・・150g
バニラ棒 ※1・・・1/4本(鞘を裂いて中のビーンズを取り出します。)
B 上白糖・・・80g
卵 (Lサイズ)・・・2個
キャラメルソース・・・適量(YouTubeなどで紹介されているものを参考に作ってください。)
おいしく作るPoint!
★牛乳、生クリーム、卵は鮮度が命。
★火入れは140°Cの低温でゆっくりと。
★牛乳7:生クリーム3を基本で作っていますが、牛乳のみでもおいしい。※1.『ぱんのやまきち』ではマダガスカル産のものを使用。バニラ棒がない場合はバニラペーストかバニラエッセンスでもOK!
準備
・プリンのアルミカップ
・オーブンを140°Cに余熱
・やかんでお湯を沸かす
作り方
- Aを小鍋に入れ、沸騰しない程度に軽く温めます。
- ボウルにBを入れてほぐし、さらに1を入れて混ぜ合わせます。
- プリンカップの底にキャラメルソースを入れ、2を小分けし注ぎます。
- 湯煎焼きします。 バットの中に3を置き、型の高さの半分くらいまでお湯を注ぎ、オーブンに入れます。
- 140°C、30分~40分加熱します。 表面が少し盛り上がり、軽く揺らしても揺れない状態が焼き上がりの目安。焼き上がったら粗熱を取り冷蔵庫へ。キャラメルソースのかわりに、焼き上がったプリンの表面に三温糖をまぶし、バーナーで色づけしてもOK!
3日以内にお召し上がりください。
ぱんのやまきち
島根県安来市安来町1909
TEL:0854-22-5881
Open 11:30~19:00 定休日/日・月・火曜日
instaglam:bakery_yamakichi